私は昭和13年(1938年)生まれの87歳です。
父は、浜福鶴の前身である「福鶴」で杜氏を務めておりました。米が治まり酒になる、この愛しいお酒に親からもらった私の名前「米治(よねじ)」と名付けました。
私自身は、17歳の時から蔵に入り、お酒一筋、気がつけば70年――人生のほとんどを酒とともに歩んでまいりました。
私たちの造る灘の酒には、「甘辛しゃん」「甘辛ピン」という言葉があります。これは、ただ甘い・辛いだけではなく、しゃんと締まった味わい、ピンと芯の通った旨さを表す灘ならではの表現です。
この地で育まれた地酒の味を、どうぞじっくりと味わってみてください。
宮脇米治敬白